谷地区における研究・活動

CMKでは大分県由布市挟間町に位置する谷地区で地域活性化に向けた研究や活動を実施しています。由布市において長年培ってきた経験や人脈で研究を実施し、谷地区における課題の解決に向けた活動を繰り広げています。

研究内容

国際開発省(現:外務英連邦開発省)が提唱する「持続可能な生活様式アプローチフレームワーク」やSWOT手法等を活用し、人的資本、社会資本、経済的資本、物理的資本及び自然資本の視点から研究を実施しています。下記は研究内容の一部を抜粋した内容です。

■持続可能な生活様式アプローチフレームワークによる分析

H: 人的資本   P: 物理的資本

N: 自然資本   S: 社会資本

F: 経済的資本

■SWOT手法による分析

  • 強み

・大分市内まで車で約30分(アクセスが良い)

・豊富な自然、社会資源

・地域のランドマークである谷小学校の存在

・谷むらづくり協議会の設立

・井路などの農業遺産

・移住希望者の存在

 

  • 弱み

・少子高齢化、人口減少

・農業振興地域の指定により家が建てられない

・人手不足に伴い農業構造改善事業による伝統農業景観の損失

 

  • 機会

・宅地が少ない農業景観で観光に向けた景観管理が可能

・豊富な自然資源や生物多様性を活用した体験の設計

 

  • 脅威

・谷小学校の複式学級・廃校

・更なる高齢化、人口減少による伝統農業景観の損失

谷地区のユニークな景観

下記の図は地区の一部にある田畑です。様々な形をしていて昔ながらの農業景観が代々受け継がれています。

下記の図は地区の他の地域にある田畑です。少子高齢化に伴い、田畑をトラクターで管理する人が増えたことから農業構造改善事業(補助金)を使ってトラクターで管理しやすい四角い形状に変化しています。管理のしやすさというメリットはありますが、伝統的な農業景観が失われるといったデメリットもあります。

あらゆるステークホルダーとのパートナーシップ

谷地域における研究や活動は様々なステークホルダーと協働しています。

今年2月に「谷地域の仕事や生活を知る 移住者交流会」が由布市及び立命館アジア太平洋大学(APU)のコミュニティベースラーニングを担当する教授及び授業を履修する学生によって実施されました。当日は由布市に移住してきた方が参加され、谷地区での生活や仕事について学ぶイベントとなりました。地区で活躍する移住者や地元の方も参加され、参加者の悩みや由布市での暮らしなどについて交流されました。また、谷地区で活動されているご夫婦の元へ移動し、カレーマルシェや刃物研ぎについて学び、また自然と触れ合いながら地域を巡りました。

APUは移住者交流会を企画するにあたり谷地区や行政と研究を実施し、イベントの企画サポートを行いました。また、研究した内容は成果報告として学生から地域の方々へ発表を行った後、ディスカッションが行われました。発表では海外や県内の事例を紹介しながら小学校を中心とした活性化、生物多様性を活かした移住・定住化などの提案が行われました。

成果報告会の様子は市報の2月号に掲載されましたので、ぜひご覧ください。

地域のイベントについて

谷地区では定期的に餅つきイベントやしいたけの駒打ち体験など谷地区を存分に感じられるイベントが行われています。自然豊かなこの地域で暮らす子供たちが文化や自然との触れ合い方を楽しく学べる機会が多々あります。

今後の取り組み

谷地区で実施している研究を通して交流人口や関係人口の拡大に向けた活動を実施していきます。谷地区の魅力や特徴を発信し、観光やインターンシップ等の確立に取り組んでいきます。また、ゆくゆくは移住・定住に向けた活動も展開していきます。

Notes:

  • Main language of the website should be in Japanese
  • Change the logo

Projects:

世界農業遺産におけるため池の役割について(大分県国東半島)

野外博物館を通した世界農業遺産の活性化(大分県国東半島)

移住・定住促進を通した地域活性化(大分県由布市)

世界農業遺産における持続的な竹林管理(大分県国東半島)

放牧を通したコミュニティエンパワーメント(大分県由布市)

LFP